
閑散たるビーチ。湿り気を帯びた暑気が一帯を領するかのような2:50PM。
波打ち際に白いパラソルの花一輪。遥か沖を行く船の汽笛が途切れがちに谺す。
目に沁み入るような群青色を見かけると、昔から瑞兆を得たような心持になる。
もともと群青色は、ラピラズリから抽出した顔料以外では出せない稀有な色だ。
隈なき晴れやかさと同時に、この世ならぬ神秘をも揺曳させる。
或いは、合理と直感という背反した二要素を体現していそうだ。
そういえばイスラム寺院のモスクでも同系統の色彩を目にした。
こうしてRGBに置換された群青色にはリアルのもつ深味が欠けている。
いつかデジタル表現が自然界の劣化コピーを超える日は来るだろうか?
「JR須磨駅プラットフォーム」にて
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