
とある駅構内。一双の<蒼い支柱>が程良い加減で存在を主張している。
それらと正対するや否や「嗚呼」という小さな嘆声が不随意的に漏れた。
幸い周囲に乗降客は居ない。遠慮なく凝視させてもらうとしよう。
理性が「只のずんぐりした柱」と断じると、すかさず感性の横槍が入る。
否、これは・・やはり「鑑るに値する柱」ではないか?
続いてディテール。表面の細工、カラーコーディネートに見入る。
濃淡3諧調の同色タイル。マッピングの塩梅も非の打ち所がない。
支柱の縦横比にも美意識が作用しているのが読み取れる。
上部8箇所にはライトアップまで施しているではないか。
明らかに"見える"こと以上に"見られる"ことを意識している。
・・不意に馬鹿馬鹿さが込み上げてきて、独り薄笑いを浮かべた。
この間10数秒。踵を返すと、何事も無かったかのように改札を抜けた。
「阪神電車青木駅(神戸市東灘区)」にて
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